少子化や核家族化、人間関係の希薄化の進行など、子どもや子育てをめぐる環境が大きく変化する 中で、家庭や地域における子育て機能の低下や子育て中の親の孤独感や不安感が増大し、児童虐待の 問題や、こうした成育環境が後の学級崩壊、登校拒否、いじめなどの問題につながる可能性が高いと 言われています。
特に、乳幼児期の子育てにおいて、保育園などの所属するところがない家庭は、社会的に孤立しや すい状況にあり、そのリスクがより高いものと考えられます。
私たちは、未来を担う子どもたちが、安心感の中で安全に育ち暮らせる社会が必要であり、そのた めには、社会の最小単位である家庭を見直すこと、親への子育て支援が大切であると考えます。
そして、子どもの健全な育ちのためには、子どもの成長の土台作りの大切な時期である乳幼児期 に、楽しく、愛情いっぱいの子育てができるよう、育児の孤独感や不安感などを取り除くための支援 が必要であると考えます。
私たちは、これまで、同じ志を持つ地域のボランティアが集まり、任意団体として、杉並区立児童 館のゆうキッズ事業(子育てひろば)への協力を中心に、子育て中の親子に寄り添う活動を続けてき ました。
また、子育て中の親子が地域の様々な人々とのつながりを持つことができるように、講座や勉強 会、子育て情報の発信などの活動も行ってきました。
今回、法人の設立に至ったのは、任意団体として実践してきた活動を地域に定着させ、継続してい くためには、これまで以上に、より多くの地域住民の参画があってこそ実現できるものであること、 また、行政や関係団体との連携を深めていく必要があること等の観点から、社会的にも認められた公 的な組織にしていくことが最良の策であると考え、その活動が営利目的ではないことから、特定非営 利活動法人格を取得することが最適であると考えました。
私たちは、法人化によって、組織を発展、確立させ、地域の様々な世代のボランティアの力を借り、 地域の中に「みんなで支え合い」「みんなで子育て」をする環境を作っていきます。
また、今、支援を受ける側の子育て中の親が、子育てが一段落したときに、今度は、これから子育て を始める親たちへの支援者となっていくような、子育て支援が循環していく、地域全体が活力に満ちて 子育て家庭を支える、そんな地域社会づくりに貢献できると確信しています。
平成28年9月12日